肩関節周囲炎(五十肩、凍結肩)

ペインクリニックで五十肩の治療?

 当院で「五十肩のペインクリニック治療」をおすすめするのは、次のような場合です。

①炎症が強い時期を過ぎている(じっとしていると痛くない、夜の痛みがそれほど強くない

②ある程度は腕を動かせるけれど、特定の動きで痛くなる、もう少し動かせるようになりたい

 肩回りのどの部分が症状の原因になっているかは、診察することである程度絞り込むことができます。肩回りの注射は様々な種類があります(肩峰下滑液包注射/peribursal fat ハイドロリリース、烏口上腕靭帯/肩甲下筋ハイドロリリース、肩甲上神経ブロック/棘下筋ハイドロリリース、肩甲背神経ブロック/菱形筋~上後鋸筋ハイドロリリース、腋窩神経ブロック/四辺形間隙ハイドロリリースなど)ので、適切な注射を行いながらストレッチをしたり、飲み薬を飲んだりすることで、症状の改善が期待できます。「肩が痛いけれどどこでどういう治療を受けたらいいか分からない」という場合には、診察したうえでアドバイスをさせていただくことは可能です。

 ①については、炎症が強い時期は関節内のステロイド注射や消炎鎮痛薬の内服が適応になります。炎症が強い状態の目安の一つは「肩を動かさなくても痛い」です。その時期は無理に肩を動かしたりするのはおすすめできません。また、五十肩にようにみえて五十肩以外の疾患(石灰沈着性腱板炎、腱板断裂、滑液包炎、内臓疾患など)が原因の場合もあるため、一度整形外科の肩専門の先生にきちんと診断してもらうことをおすすめします

 ②については、ほとんど腕が上がらないなど可動域制限が非常に強い場合は、専門的なリハビリテーションやマニピュレーションが必要なことがあります。