帯状疱疹は健康な若い方でもかかることがありますが、50歳以上になるとかかる方が急に多くなり、3人に1人の方は生涯に一度は帯状疱疹にかかるとも言われています。また、一度かかると免疫がつくので1年間はほとんど再発しないと言われていますが、時間が経って免疫が低下してくると再び発症することもあります。さらに、帯状疱疹が重症化してしまうと、なかなか治りにくい神経痛が残ってしまうだけでなく、発症した場所によっては視力・聴力の障害や麻痺といった様々な後遺症が残ってしまうこともあります。このつらさは、帯状疱疹を発症してしまったご本人やそのご家族以外の方にはなかなかイメージしにくく、痛みの治療を担当する我々としても「こんなに痛いならワクチンを打っておけばよかった・・」とおっしゃる患者さんを前に大変お気の毒に感じる場合が少なくありません。
帯状疱疹ワクチンには、帯状疱疹の発症の抑制に加えて、神経痛が残るリスクを下げる効果が報告されています。帯状疱疹にかかりやすくなる50歳以上の方は接種していただくことが可能です。ステロイドなどの免疫を抑える治療薬を使用中の方はもちろんですが、特に持病のない健康に自信のある方にも、一度は接種をご検討いただくことをおすすめしております。帯状疱疹ワクチンを接種できる医療機関はこちらからご覧いただけます。当院では2種類の帯状疱疹ワクチンを扱っております。
弱毒生ワクチン
弱毒生ワクチンはシングリックスと比べると効果がやや弱く、効果が持続する期間もやや短いとされていますが、安価で副反応が少ないメリットがあります。価格は8800円です。接種後5年間は50%程度の予防効果があります。生ワクチンのため、免疫が低下している方は接種することができません。また、他の生ワクチン(風疹・麻疹、おたふくかぜ)接種と27日以上の間隔を空けていただく必要があります。
シングリックス
シングリックスは弱毒生ワクチンよりも高価で、副反応もやや多いと言われていますが、高い予防効果が長く続くメリットがあります。価格は1回22000円で、2か月あけて2回の接種を行います。不活化ワクチンのため、50歳以上ならどなたでも接種可能です。また、18歳以上で帯状疱疹リスクの高いと考えられる方も接種が可能になりました。最近では他のワクチンとの接種間隔を空ける必要はないとされていますが、副反応が気になる場合は6日以上空けていただくようおすすめしております。
下記の比較表を参考にご検討ください。
弱毒生ワクチン | シングリックス | |
---|---|---|
接種回数 | 1回 | 2回 |
予防効果 | 50%程度 | 90%以上 |
効果の持続期間 | 5年程度 | 10年以上 |
料金 | 8800円 | 2回で44000円 |
副反応 | 接種部位の痛み、腫脹、発赤 | 接種部位の痛み、腫脹、発赤、倦怠感、筋肉痛、頭痛 |
他のワクチン接種との間隔 | 生ワクチンは27日以上 | 制限なし |
ワクチン接種の流れ
ワクチン接種をご希望の方は、一度ご来院いただいたうえでワクチンの種類と接種日を決定し、代金のお支払い後にワクチンをお取り寄せいたします。
なお、ワクチン接種のみをご希望の場合は、電話や予約ページからのご予約は不要ですので、受付時間内にご来院ください。
ご不明な点は、お問い合わせページよりご連絡をお願いいたします。